労働者と経営者どっちもどっちやなかろか

以前の日本では終身雇用が当たり前で、サービス残業もして普通、休日出勤も普通という風潮があったよね。

これに異を唱えたら、「仕事ってのはなぁ!!」って感じで逆に説教される始末。

まさに社畜思考って言われるもの。

最近じゃサービス残業なんて冗談じゃない。労働契約している時間以外に労働したら当然残業代払うべきって意見が普通。

本当にその通りで、これは昔の日本でも法律上はそうなっていたはずなんだけどね。

このサービス残業や休日出勤に異を唱えだしたのっていつ頃くらいなんだろう?

2000年頃くらいかな?

外資系企業が多く入ってきて、その考え方が広まってきた頃だよね。

いずれにしてもこの頃に様々な問題が表面化してきたと思う。

問題はさ、労働者も経営者もさ、その外資系的な考えに中途半端に自分の都合の良い部分だけ感化されたからなんだと思うんよ。

例えば、昔の日本の企業って、良いのか悪いのかは別として会社が従業員の家族を含めてめんどうみますって感じだったじゃん?

だから優秀じゃなくてもクビ切らなかったし、なんとかその会社で残って、年功序列ってシステムで年齢に応じてお給料もそれなりに安定して伸びて、そこにしがみつけばとりあえず家族を養っていけて、生活の安定は得られるような仕組みだったはず。

そしてその安定度合いやお給料の良し悪しってのは、勤める企業の良し悪しに応じてだったから、みんな優良な企業に就職したがった。

その優良な企業に就職する為には、良い学歴が求められるから、みんな良い大学に入りたがった。

こういうある意味解りやすい世界だったような気がする。

ところが外資系的な考えが入ってきて広まった。

それによって経営者は「これ良いじゃん。仕事の成果だけをシビアに見てできの良い奴だけ残して、ダメなら辞めさせるって、すげー効率良いじゃん」って言いだした。

対して労働者側も「これ良いじゃん。サービス残業させるなんて実は違法だし、契約労働時間だけ働いて、それ以外はさっさと帰って自分の好きなようするってのは至極当然じゃん!」って言いだす。

どっちも言ってる事は正しいよね。

でもダメだったのはさ

経営者は「シビアに従業を見てサクサクとクビ切ったりするけど、サービス残業や休日出勤はこれまで通りさせる。しかもお給料はなるべく安く」ってとこ。

労働者は「定時で帰って契約労働時間外は干渉するな。でも出来が悪いからってクビ切ったりするな。安定雇用しろよ!しかもたいした成果ださなくても給料高くしろよ!」ってとこ。

自分に都合の良いとこだけ欧米的な思考を取り入れて、都合の悪い部分は採用しないってとこだと思うんよ。

俺は外資系とかじゃなくて、まさにアメリカの会社で働いていたんだけど、そこでは経営者は「デジタルにシビアに社員の成果をみるけど、契約労働時間外には何も触れない。そして成果に応じてお給料は変化する。ダメならクビにする」って感じだったんだよ。

労働者は労働者で「サービス残業したくなけりゃしないし、契約労働時間内だけちゃmんと働いて、ちゃんと成果をだして高い報酬を望む。出せなければクビにされても文句言いません」って感じ。

それが良いか悪いかは別にして、それだからある意味成立してたんだと思う。

それが日本では先述のようにそれぞれの都合の良い部分だけ抜き出して声高に言い出すから変になっちゃうんだと思うよ。

経営者だったら、ダメな社員をすぐにクビにしたいんなら、サービス残業も休日出勤も会社への忠誠も求めないで、本当に成果に対してしっかりと報酬をあげれば良い。変な飲み会とか社員旅行とかのどうでも良いレクリエーションに強制参加とかさせちゃいけない。

労働者だったら、成果をあげて初めて高い報酬が貰えて、自分の時間を自由に使えると認識しなきゃならない。ダメだったら突然クビ切られても文句言っちゃいけない。成果も出してないのに偉そうに権利だけ主張しちゃいけない。

そして転職市場も転職の多さを気にしちゃいけない。

一つの会社で長く仕事に従事している事を評価するのは良いけど、転職が多いからってだけで弾くのは良くない。

世の中には優秀な奴と普通の奴、そして無能な奴っていると思う。自己評価はともかくとしておそらく8割の人が「普通の奴」なんだと思う。

そして1割の優秀な奴と、1割の無能な奴がいる。

この1割の優秀な奴は、欧米的なシステムの方が良いお給料もらえて、良い生活ができる。しかし昔ながらの日本的なシステムだと、いくら優秀でも普通の奴や無能な奴と、それほど大きな待遇面での差も出てこないからあんまりおもしろくない。

1割の無能な奴にしてみたら、欧米的なシステムは困ったもんで、どこで働いてもすぐにクビになったり、給料がバカみたいに安くて生活の安定なんて得られない。昔ながらの日本的システムだったら、小さな企業で文句言われながらも年齢相応のお給料もらえて、なんとか生活は安定させられる。

8割の普通の奴にとっては、どっちが良いんだろう?

これが俺らなんだと思うよ。

普通の奴なんだから、努力すれば普通の奴に勝てる可能性は出てくる。

となると、努力できる奴は欧米的システムの方が良いわけだ。

努力したくない奴は、日本的なシステムの方が良いわけだ。

もう一度自分の胸に手を当てて考えてみて、自分がどっちなのかで仕事に対するスタンスを決めた方が良いと思うんだよ。

経営者も経営者で、サービス残業や休日出勤を求めるなら、安定雇用と高くなくて良いから普通に生活できる給料を保障するべきなんよ。

どっちの企業が良いかは知らないけど、労働者、経営者ともに言っている事を実現させたいのなら、デメリットもちゃんと受け入れた方がええと思う。

バカな俺の意見だからどっかおかしいのかもしれないけど、俺は少なくともそう思うんだよな。